1 沿革

処罰法3条1項は、2条の危険運転致死傷罪における危険運転行為と同等とはいえないが危険性・悪質性が高いと認められる運転行為を敢えて行った(結果として正常な運転が困難な状態に陥るほどの飲酒運転行為とそれに対応する認識あり)という点から、法定刑を2条の危険運転致死傷罪よりは軽く、過失運転致死傷罪(5条)よりは重く定めたものです。本罪は、平成25年の法改正により新たな犯罪類型として新設されました。

 

2 要件

(1)客観的要件は、

ⅰアルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、

ⅱよって、

ⅲそのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、

ⅳ人を負傷させたこと、です。

 

ⅰの「アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」とは「酒気帯び運転罪に該当する程度のアルコールを身体に保有する状態(呼気中アルコール濃度0.15mg/L。血中アルコール濃度に換算すると、0.3mg/mL。)」で足りるとされています(但し、アルコール保有量が低くても「自動車を運転するのに必要な注意力等が相当程度減退して危険性のある状態」であれば、これに該当します。

ⅱの因果関係は、ⅳだけでなく、ⅲとの関係でも必要です。

ⅲの正常な運転が困難な状態については、交通事故犯罪③要件(https://kawanishiikeda-law.jp/blog/1077)を参照ください。

(2)主観的要件

主観的には、客観的要件ⅰに対応する認識があれば足り、客観的要件ⅲに対応する認識は不要です(ⅲに対する認識があるのであれば、当初から、客観的に正常な運転が困難であったという状態であったということになり、2条の危険運転致死傷罪になります。)。

 

3 刑罰

準危険運転致死傷罪が存在する場合、それと別個に酒気帯び運転は成立しません。致傷の場合は懲役12年以下/致死の場合は懲役15年以下です。

 

4 違反点数 危険運転致死傷罪と同じです(https://kawanishiikeda-law.jp/blog/1083)。

 

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