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村上新村法律事務所では、今回、交通事故専門サイトを開設しました(https://kawanishiikeda-law-jiko.com/)。そこで、関連ブログを連載することとし、最初のテーマを交通事故犯罪としました。危険運転致死傷罪を含め、飲酒・スピードに関する交通事故犯罪は、厳罰化へ突き進んでいます。第1回目は、飲酒運転です。

 

1 飲酒運転

飲酒運転とは、一般的には、アルコールを摂取して体内にアルコールが残っている状態で車やバイク、自転車を運転することをいい、道路交通法上、①酒気帯び運転・②酒酔い運転として、処罰される場合があります。

 

2 酒気帯び運転の要件

酒気帯び運転として処罰されるのは、呼気のアルコール濃度が0.15mg/L以上か、血中アルコール濃度が0.3mg/ml以上の場合です(道路交通法117条の2の2第3号、同法施行令44条の3。自転車等の軽車両は除かれます。)。

なお、運転免許の違反点数との関係では、呼気のアルコール濃度が0.15mg/L以上0.25mg/L未満か(13点)、0.25mg/L以上か(25点)によって区別されます。

 

3 酒酔い運転の要件

酒酔い運転として処罰される要件は、酒気帯び運転と異なり明確な数値基準がなく「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」とされています(道路交通法117条の2第1号)。

この「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」とは、車両等を正常に運転するについて必要な注意力を欠くおそれがある状態をいい、判断の際には「直立不動を維持できない状態」「歩行困難な状態」「言語能力が正常でない(呂律が回らない・受け答えがおかしい)状態」等が参考とされます。

なお、酒酔い運転とは、呼気中アルコール濃度にかかわらず、アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態での運転です。お酒に弱くて少量でも酔ってしまう人は、たとえ呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L未満であったとしても酒酔い運転として処罰される可能性があります。

 

4 運転者に対する罰則等

酒酔い運転  罰則-5年以下の懲役または100万円以下の罰金 違反点数―35点(免許取消、欠格期間3年)

酒気帯び運転 罰則―3年以下の懲役または50万円以下の罰金  違反点数―25点(免許取消、欠格期間2年)

但し、呼気濃度0.25mg以上

違反点数―13点(免許停止90日間)

但し、呼気濃度0.15mg以上

0.25mg未満

 

5 飲酒直後のアルコール濃度・その後の分解時間

(1)飲酒直後のアルコール濃度(以下は最大値であり、体質体調等でも異なります。)

種類体重70kg体重50kg
缶ビール(5%)×1缶(350ml)

 

呼気中0.165mg/L

血中0.33mg/ml

呼気中0.23mg/Ⅼ

血中0.47mg/ml

日本酒(15%)×1合(180ml)

 

呼気中0.255mg/L

血中0.51mg/ml

呼気中0.36mg/L

血中0.72mg/ml

以上のとおり、ビール1缶で酒気帯び運転、日本酒1合で一発免取です。

 

(2)分解時間

アルコールが体から抜ける時間(分解時間)は、体重と飲酒したアルコール量で決まります(体調、体質などの個人差が影響することはあります。)。

 

〈アルコールの分解時間の計算方法〉

・純アルコール量(g)=お酒の量(ml)×アルコール度数/100×0.8

1時間に分解できる純アルコール量(g)=体重(㎏)× 0.1

分解に必要な時間=実際に飲んだ純アルコール量÷1時間に分解できる純アルコール量

 

種類体重70kg体重50kg
缶ビール(5%)×1缶(350ml)

 

2時間2時間48分
日本酒(15%)×1合(180ml)

 

約3時間5分5時間24分

以上はあくまでも目安です。睡眠中は分解速度が下がるという研究もあるようで、1晩寝たとしても、分解が完了しているとは限らないことに注意が必要です。

 

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